不器用ラヴァーズ












      午後の優しい風がふく氷帝学園では

       王子に気に入られ、絶対服従を命令された一人の少女が

       学園の廊下をたったと走っておりました・・・・・







        「おい、今度はこれ資料室へ戻して来い。」

        「はーいっ!」



        「職員室からコピー用紙10枚と、生徒総会のプリント貰って来い」

        「はーいっ・・・・・・・」



   
        「次はこいつを図書室から探して付箋貼っとけ。」


        「はいはい・・・・・」



        「購買で消しゴムかって来い」

        「・・・・・・・・」





        返事をしなくなったを見て、跡部は眉間にしわを寄せた

        「おい、返事」

        「・・・っはいはい!」

     




 






        ったく、人使い荒らすぎ!

        廊下を行ったりきたり・・・・はぁ・・今日どのくらい走ったかなぁ・・・・

        足も痛いし、命令形だし、ムカつくしぃ〜!!




        いつになったら終わるのよ〜・・!!








        「ふはぁ・・・・」

        「はぁ〜い。今日のお勤めご苦労様v」


        そういって声をかけてきたのは親友の
        はあたしの一番の親友で、悩みとかも結構聞いてくれる
        この跡部奴隷事件(??)も訳を知ってるのもだけ・・・・

        じゃなかった!もう一人・・・・・

     

        「ホントにご苦労だよ〜・・・あー・・疲れたー・・」


        拳で肩をトントンと叩いて溜息をつくと、がくすくす笑って頭を撫でてきた


        「・・・ホンマ、跡部は人使い荒いからなぁ・・・」


        忍足はうんうんと頷き、
        いかにもずっと傍にいたかのように自然にに隣に立っていた


        「うん・・・って?!お、忍足くん?!」


        ずささーっと後を引くと、当の本人はにこにこ笑っている
        もう一人とは彼のことで、同じクラスの忍足くん。
        この前図書室であってあたしの見方になってあげるって言ってくれたとってもいい人なのデス。
        


        「忍足ー・・なんでアンタが此処にいんのよ」
        「まぁ、細かいことは気にしないほうがえぇ。俺はお嬢さんの見方やし」

     
        な? とにアイコンタクトを送ると、は少し引きつった顔で微笑を浮かべる

     
        「ふーん・・・。なるほど・・・は跡部を誑かして、今度は忍足を誑かす気ね?」


        へぇ〜とを顔を覗き込み、にやにやと笑ってみせた

  
        「ち、違うって!・・てか跡部の事誑かしてなんかないし!!」

        「ちょっと奥さん、焦りすぎなんじゃなぁ〜い??やっぱなんか隠してるー!」

        「だから違うって!」

     
        忍足はからかいあっている二人を見てくすくす笑うと
        後ろにある時計を見た


        「あー・・鈴宮さん。ちょっとの間、お嬢さん借りてもえぇ?」

        「なんで?」

        「いまからテニス部のミーティングがあってなぁ。跡部にお嬢さんつれて来いって言われてん。」

        「あたしを?・・・あたし、別にテニス部に何も関係ないんだけど・・;」

        「俺も何故かはよう知らなくてなぁ・・」


        少し俯くと分かったと返事をしてに別れを告げ、忍足とは教室を後にした



 




     


        生徒がちらつく廊下で、テニス部員と普通の女子生徒が二人が並んでいる光景は珍しい事であり
        誰もが皆、振り向いてこっちを見ている


        「何か・・・視線が痛い・・;」

        「それは跡部とて同じやろ?」

        「跡部と一緒に歩く事なんかないもん」

        「ほー・・そうなんか」

        「いっつも命令してばっかでさ・・・
         少しは自分でも動けっつの!」



        人の気持もわかって欲しい

        もう少し分かってもらえば、少しはいい人に見えるのにな・・・



        「・・・・・跡部も、お嬢さんの事はちゃんと考えてると思うで?」

        「そうかなぁ?」

        「せや。今は分かれへんかもしれんけどな」

        「だと、いいけど・・・・」



        廊下は酷く短く感じた

        いつもばたばた走っている道なのに

        なぜだろう こんなにも



        早く行かなくちゃって気持ちが現れてしまっている




     


 
        ミーティングルームに着くとやや生徒が集っており、
        暫くたって見ると、よくこんな教室に入りきれたな と思うような人数で周りを囲んでいた



        「では、これからミーティングを始める」


        やっぱり、仕切っているのは部長の跡部であり、あたしは何故か隣に座っていた・・なぜ?
        忍足くんは前の列に座っているが、他のレギュラー陣もいて、なかなかそちらを見ることが出来ない


        ミーティングの内容もちんぷんかんぷんだし・・・
        元から、あたしはテニス部員でもないのになんで此処にいるのよ!


        手をひざの上に置き、だまーってぼーっと座っていると上から声が聞こえる

 
        「――――・・ぉいっ・・おい、お前聞いてんのか?」

        「へっ?!」


        思わず立ち上がってしまうと、跡部があたしの頭に手を置いた


        「今日からこいつがテニス部マネージャーになる。
          こいつについてなんかあったら俺様に言え。以上」

        「・・・・へ?」



        い、今・・なんつった?

        マネージャーって言ったよね・・・・


        マ、マネージャー?!




        呆然と立ち尽くしていると、周りの人たちはミーティング室からさっさと出て行っている。
        はっとそれに気付き、列にまぎれて外に出ると暖かかった空気がキンと冷え、
        なんだか違う空間にいたような気持ちになった。



        そのあと、午後の授業も無事終え部活に時間になる。

        あたしはマネージャーになったらしく、もちろん跡部にはこき使われるわ
 
        マネージャーの人には怒られるわ・・;;


        あたしの人生っていったいなんなんデスカ・・・?!



     




         「はぁー・・・・・」


         やっと、部活も終わり部誌を跡部に届けるために重いあしをあげて階段を上る

         長い長い階段は自分の体力をどんどん奪っていく




         「跡部ー。」

         教室についてバックに教科書やらをつめている跡部を見つけて声をかける

     
         「あん?何か用か?」

         「これ、部誌。斉藤さんにたのまれたの」

         「ああ、悪いな」

         「いえいえ、別にー」


         つんとした表情を見せ、自分の席に行き鞄の中にどさどさと入れる
         それが面白くなかったのか、跡部はむすっとした表情を浮かべてバックを背負った。



         「おい、帰るぞ」

         「いわれなくてもtっ」

         「そうじゃねぇ。お前も一緒に帰んだよ」

         「・・・は?」

         「アホっ顔浮かべてねぇでさっさとしろ。」

     
         そう言うと跡部はつかつかと歩き出し、あたしはその後に付いて行く
         廊下で何も言葉を交わさず、下駄箱で靴を履き外へでると辺りはもう薄暗くなっていた

         って、いっても奴は車だろう と思っていたが今日は違うらしく校門を出ると跡部が立ち止まった


         「お前、歩くの遅すぎ。」

         「あんたが速すぎなの!」

    
         もうっ・・と言葉を漏らして少し怒り顔を浮かべると跡部がほんの少しだけ微笑を浮かべた

         見てなきゃわかんないような笑みだけど。

         そしてまたかつかつと歩き始め、あたしは少し小走りでやつの後ろについてってやる



         「あ、あのさ!」

         「・・あん?」

         「なんでっ、勝手にあたしをマネージャーにしたの?」

         「何でって・・・考えれば分かる事だろうが」

         「分かんないよ!あんたの考えてる事なんてっ・・・」

 
         やっとついていた歩きをやめ立ち止まると、跡部も立ち止まって顔こっちを向く。
         そして近寄り、きっと睨みつけると跡部はあたしの顎を少しだけ持ち上げた


         「お前は俺様の奴隷なんだから、常に俺の傍に居て俺様の命令だけ聞けばいいんだよ」


         冷たい青い目が胸にチクリと突き刺さる

         そして口の端を上げて笑うと顎から手を引くとまた歩き出す



         なんて男だ。こいつは。


         俺様宣言しといて人を何だと思ってるんだ?

         こんなジャイアニズムな告白生まれて初めて聞いたよ







          でも、あの冷たい氷のような目は多分一生忘れないと思う
 
          強い意志を感じるのに、どこか寂しさを感じた



          足が 何故か動かなかった。

          悔しいよ。悔しいのに



          どうしてだろ 





          この人の氷を溶かす事は出来ないのかな



          なんて思ってしまった




      



          「おい、何立ち止まってんだ。行くぞ」

          「・・・・・・言われなくても行くよっ・・!!」


          たったと走って今度は跡部の隣に。

      

          「あと、一つ忘れてたが・・・」

          「何?」

          「お前明日暇だよな?」

          「えーっと・・・明日は土曜だから・・まだ、予定はないけど・・・」

          「明日10時駅前」

          「は?」

      
          突然の発言にきょとんとする


          「聞こえなかったのか?」

          「いえ・・・聞こえましたけど・・さ」

          「じゃあ、明日ぜってぇ来い。来なかったら携帯ブッ壊すからな」

          「えぇ?!な・・・う・・・は、はい・・・」

   
          そういうと跡部はあたしの家とは反対の角を曲がり、

 
          「気をつけて帰れよ。じゃあな」


          といって帰っていった。








          跡部の謎の質問と、 明日の10時のことが上手くかみ合わなく頭を抱える

          とりあえず分かった事は




          明日もまた、王子サマの命令に従うって事・・・かな?





 




     








 


          2006/12/18


          お久しぶりの夢ですたい! お久しぶりのブキラバ!

          なんかごっちゃごちゃになっちゃった☆


          とりあえず今度で関係がぎゅーっと縮まるといいですね!

          って、書くのはあたしか・・;


          ではまた。


          櫓川でした。




     
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