ア ス パ ラ












         俺には好きな奴がいる 同じ学年で、俺の部のマネージャーやってる

           可愛いし、スタイルもいいっちゃいいし。結構モテてんのかもなぁ。

           俺があいつを好きになったのは三ヶ月ぐらい前だった

           きっかけは・・・まぁ、よくあるパターンで。

           あいつの笑顔見てるとなんだかこっちも明るくなれた


 



           四時限目が終わり、チャイムが鳴ると俺は背伸びをして肩をならした

           辺りは後ろの席の奴とかとしゃべっていて、なんか居ずらいから席を立ち屋上に向かった

           俺は屋上の合鍵を持ってる。仁王にもらってさ。こいつを使ってたまに授業をふけたりする

           空みてるとさ、なんか心が落ち着くっていうかさー・・・

           合鍵を持って屋上の鍵を挿して回すとドアが・・・・開かない。

           もう一回鍵を挿して回すと今度は開いた


       
           (んだよ・・・先客がいんのかよ・・・)



           ドアを開けて屋上に入ると生ぬるい風が俺の前髪をさらってゆく

           髪の毛を押さえてフェンスの方へ向かうと聞きなれた声が聞こえてきた


           「あ、ブンちゃんだ!」

           「おぅ?あ、じゃん」


           重い足をあげての元へ向かう

           
           「おう、こんな所でサボってていいのかよ?」

           「それもブンちゃんも同じでしょー。」


           そういってにこりと笑うと風に吹かれた髪を耳にかける

           そういう些細な仕草がすっげぇいいな、なんて思ってしまう



           「ったく・・・一人でのんびりすごそうと思ったのによー・・」

           「何よそれ!あたしが邪魔みたいなさー」

           「邪魔っつうか、お前煩いじゃんか」

           「ひっどー!じゃあたしから見ればブンちゃんも煩いよーだっ!」

           「はぁ?俺は天才的だから煩くなんてねぇだろぃ」

           「天才的と煩いは関係ないって!」


           がくすくすと腹をおさえてわらうから俺もついつい笑ってしまう

           ようやくおさまったかと思うと、こんどは少し悲しい眼をして俺のほうを見た




           「ねぇ・・・・ブンちゃんはさ、好きな人いる?」

           「・・・・は?」

           「だからっ。好きな人」

           「・・・なんで、急にんなこと聞くんだよ」

           「別にー。ただちょーっと気になっただけ」



           うそつけ。顔に全部書いてあんだよ。

           またどうせ話のネタとかにするんだろぃ・・・


           「ぜってぇー!教えねぇ」

           「えー?けちー!」

           「お前なぁ・・・」

           「いーもーんっだ。他の人に聞くし!」

           
           そういって顔をふいっと横に向ける


           「で、そーゆーお前はいねぇの?その・・好きな奴」

           「あたしー?」


           顔では平然を装っていたが心の中ではかなり緊張していた

           だってよ、こーゆー話されたら誰だって気になるだろ?



           「あたしはねー・・・秘密w」

           「はぁ?!・・・お前なぁー!」

           「だってブンちゃんも教えてくれなかったじゃん!だから教えなーいっ」

 
           たって少し後ろにいくとは舌をだして挑発してきた

           

           「この・・・こらっ!」

  
           俺がに向かって走るとはきゃっきゃ言いながら逃げ回った


           本当はすっげぇ知りたかったけど




           やっぱりまだ、傷つくのが怖い自分がいる


           壊 レ ル の が、嫌でしょうがなかった






        




           最後には結局逃げられて、昼休みも終わり

           五時限、六時限と時がすすみ部活の時間となる





           やはり部活の時間となると廊下には生徒がたくさんいる

           俺はその間を通り部室へと向かった



          

           部室のドアをあけると、ジャッカルがストップウォッチを鞄から取り出している所が見えた


           「おー。ジャッカル今日は速ぇーじゃん」

           「ブン太。さっき真田が今日は練習試合するっていってたぞ」

           「はぁ?そりゃまたいきなりだなー・・俺赤也は勘弁だな。アイツキレると面倒くさいんだよなー」

           「それは俺も同感だがな。決めるのは多分柳あたりだろ」

           「マジかよー・・くっそ・・って、アレ?」


           ポケットを探ると、いつも噛んでいるガムがない

           もう片方も探してみるが、ない。


           「どうしたんだ?」

           「ガムがねぇ。」

           「ガム?鞄の中とかじゃねぇのか?」

           「いや、いっつもポケットにいれてるんだけどよー・・」


           あれ?あれ?とポケットや服を叩いてみる


           「ガムねぇと調子でねぇんだよなー・・悪ぃ、ちょっと教室いって探してくるわ」

           「なるべく早く戻ってこいよ」
 
           「おー」



           そう一言言うと俺は部室を後にした

 
           バックの中にはいれてねぇだろうから・・机の中か?

           ロッカーもついでに見とくか・・





           軽く口笛を吹きながらロッカーの中をくまなく探してみる


           「ねぇな・・・」



           物をしまってロッカーを閉めると教室への廊下をあるく

           空の青色に、オレンジ色のグラデーションがかかっている

        
           廊下の窓を見てから一歩先を歩くと、見慣れた人物が見えた気がした



           (あれ・・・だよな?・・・)




           ドアを少し開けて見ると、そこには自分が一番考えたくない光景があった

         

           同じ部の仁王がを抱きしめていたのだから



    
           「マジ・・・・?・・・」





           思わず小さく言葉を漏らしてしまった

           体が動かない。まるで金縛りにでもあったように。

           仁王の大きい手が、の体に触れるたび胸が引き裂かれるように苦しくなった

           見たくない、見たくない・・・!と目をつぶろうとも、自分の目は瞬きさえ忘れるほどにその光景に食い入っていた

           そしてやっと動いた一歩は後ろへさがり壁へ寄り掛かる




           「で、そーゆーお前はいねぇの?その・・好きな奴」

           「あたしー?あたしはねー。秘密v」




           (んだよ・・好きな人いたんじゃん・・・・・・・)



 
           だけど、俺は全部知ってた。アイツがいっつも見ている先には奴がいたことを。

           たまにから香る仁王の香水の匂いも

           アイツが俺に見せる笑顔は、俺 の じ ゃ な い っ て こ と も






           (俺、一人で馬鹿みてぇじゃん)






           おかしくて少し笑ってしまった。いや、笑うしかなかった

           でないとこの醜い感情が今にもあふれ出しそうで。



           「ホレタヨワミってやつ?・・・」


         

           買ったばっかりの青白いワイシャツの一点だけ、深い色になった








                          も  う  誰  も  振  り  向  い  て  く  れ  な  い
         

















            2006/10/26


            華恋サマのリクエストで「ブンちゃんの悲恋夢」!って事でできましたー・・;

            題名はaikoの夏服から!大好きなんですこの歌!


            華恋さんー!遅くなってえろぉすいませんでした!

            こんな夢でよかったらお持ち帰りくださいw


            では櫓川でした





        
          
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