部活が終わり、さっさと着替えて帰ろうと思ったが
         いつもコートのフェンスにいて、きゃーきゃー叫んでいる奴の姿が見当たらない

   
         少しだけ辺りを見渡してみたがいない。
         少し溜息を漏らし俺は教室へと向かった







         階段をのぼり自分の教室のドアを開けると窓を開けて空を見ているの姿が見える



         「・・・何やってるんだ?」

         「・・あ、若?・・・まぁ、その・・・ちょっとね。」

       
         返事はしたがはこちらを向かずいまだ空を見ていた


         「空って綺麗だよねー・・・本当に嫌な事もなんでも忘れられるよ」


         やっとこっちを向いて笑ったかと思うと、その笑みはいつもの笑いではなかった
         それを見て俺は目を細める



         「、何かあったか?」

         「え?なんでよ」

         「いいから。なんかあったんだろ?」


         俺が間髪いれず言うとはふっと悴んだ笑みを浮かべ顔を上げた



         「あはは!やっぱ、若にはかなわないよー・・」

         「で?何があった」

         「・・・さっきさ、三年の先輩に告って来て。」

         「ああ」

         「・・・でさ、ふられちゃってさっ」

         「・・・・・」


         はあははと笑っていたが俺は笑えそうも無かった

         いや、笑いたくなかった




         「彼女いるんだってー。知らなかったよー」

         「・・・・」

         「本当にっ・・・・・知らなかった・・っ・・・」


       
         の大きな瞳から涙がこぼれ出ていた

         俺は知っていた。が三年の先輩が好きで仲良くなろうと必死になっていたことを


         でも俺は正直それを応援する気にはならなかった

         そして、今先輩にふられたと聞いて安心してしまっている自分がいる

 
         それでも、俺はの事が好きだから


       
      
        

         涙を手で拭いながら泣くに俺はそっとを抱きしめていた

         の甘い香りに目を閉じる



         「頑張ったんだろ?」

         「・・うん・・・・」

         「ならきっと本人にも伝わったんだ。お前は良くやったって。」

         「・・・うん・・・」


 
         そんな言葉しかでなかった。でも壊れそうな彼女をこれ以上見てはいられなくて。
         少しの間を抱きしめて、涙が納まったのか俺の胸から離れた


         「ありがと。若ー。若は優しいね」

         「いや、そんな事はない」

         「ううん。今ここで若が来てくれなかったらあたし一人でずっと落ち込んでたよ」

         「単細胞なのに?」

         「うっさい!それは関係ないでしょー?」


         くすくすと笑うを見て今度は俺も少し笑った
         その後は鞄を取りに行くために下へと降りていった


       


       

         好きな奴が泣いている所なんて見たくはない

         でも眼を瞑っている事も出来なくて

         お前が泣きそうなら俺でよければいつでも傍にいるから

         向日葵のような笑顔で笑っていて




         そして今度は笑っているお前を抱きしめるから






          (俺もまだまだだな・・・・)



         溜息をついてオレンジ色の夕焼がだんだん青くなっていくのが分かる

         の甘い香りにそっと眼を閉じた












       


           Ryu子ー!!!!ごめんねー!遅くなってぇー!!!

           しかも短くて・・・;こんなんでよければもらってくださいw


           では櫓川でした。


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