毎晩 俺は妄想の旅に出る



         果てのない海で必死に漕いでいる





         そこには笑顔の君がいて



         触れる前に君は消えてしまう











         俺は罪無きドリーマー







                                      











         

 

          ジリリリリリリリリリリリ・・・・・−−−−−







         目覚まし時計が鳴り響く



         それは俺に渇を入れるようなすさまじい音



         まだ覚めきっていない目をこすり、目覚まし時計のアラームを留める



         さっきまで海で船を漕いでいたはずの体が重く感じた



         頭の中がぼーっとしている



         





         「あー・・夢ですか」









         そう呟き、ため息をつくと俺はハンガーに掛かっているYシャツを取った



























         













         「よー千石ー」



         「おー。」





         友から背中をばんっと叩かれ体がふらつく



         「どしたよ、元気ねぇな。」



         「ま、いろいろありまして、ま。南にはとうてい関係の無い事だけどね。」



         「何だよそれ・・・ぉ、千石あれあれ。」



         「ん?」





         友人が指差す先には夢にまでみた彼女がいた





         「今日も可愛いよなぁー・・・」



         「高嶺の花ってやつ?」



         「お!、それそれ!」





         南の上手い例えに思わず反応してしまう




         まぁ、高嶺の花だから届かないってのもあるんだけど;;





         











         それでも俺の目に映る彼女はとても綺麗で



         いつも勝手に思ってすみませんと思ってしまう





         それでもやっぱり彼女の唇や、あの細く柔らかそうな足に目がいってしまうってのが俺っていうオトコ。





           







         いつも目で追っている 夢だけでは足りないと思っていても



         手が出せないでいる 





         へタレだな 俺って





         時に自分の幸運もかなわない時もある



         臆病な自分に、ははっと笑ってしまう



















         また今日もきっと夢で君と出会う



         それはただの夢のはずなのに 隣にいる奴の顔さえ確かめられない俺は



         なんて臆病なドリーマー























        





         「(あ・・・どうにか心を決めないとなぁ・・・)」







         「ねぇ、千石くん」





         「え?!な、何?!」







         いつも聞きたかった声にびっくりして思わず机に足をぶつけてしまう



         だがその痛みなどすぐ忘れてしまうほどだった





         「これさ、千石くんのだよね。ここおいとくよ?」



         「う、うん・・・・ありがと〜!」





         にっこり笑いそれだけいう、と彼女は自分の席に戻りほかの女子に囲まれ会話を始めた





         

         これは夢だろうか いや 夢ではないだろう







          







         きっと今日も俺は夢を見る



         そして夢の中だけでも絶対彼女を手に入れる



         いつか待ってて 夢の出口で 







         必ず君を攫いに行くから















         今夜も俺はただ君を思うドリーマー









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