午後の夕日が差し込む教室であたしは一人読書をしてた

      最近買った本。表紙も綺麗であんまり厚くない

      それと、あたしがこの本を買ったわけは・・・




      「、遅れてしまってすまなかったな」

  
      手塚がやや息を切らしながらの元へ来た
      そんな手塚を見てふわっと笑うとしおりをして本を閉じた


      「ん、平気だよ。委員会は終わった?」

      「ああ。・・・・読書をしていたのか?」

      「暇だったしね。それと、この本すっごい面白いんだよ」

      「ほぅ、どんな内容なんだ?」


      「えと・・・主人公がクールで無口で真面目で。でね、ヒロインはそんな主人公を好きになるんだけど
       なかなか想いが伝えられなくてー・・って感じかな?」

      「恋愛小説か・・・」

      
      本をはい、と渡すと手塚は受け取ってぱらぱらとゆっくり捲ってみる
      軽くじっと様子を見てみると、は少しため息をついた
      

      「どうかしたのか?」

      「んーん。手塚くんにはちょーっと難しかったかなって」

      「・・・何の話だ?」


      手塚は眉間にしわを寄せ首を傾けた
     
     
      「それ、貸してあげる。読んでみて?」

      「いいのか?」

      「うん!・・ってゆうか手塚くんに一番読んでもらいたいしね。」

      「そうか、では読もう」

      「じゃ、帰ろう?暗くなっちゃうし。」

      「そうだな。帰ろう」

    
      差し出した大きな手をは微笑み、ぎゅっと握った





      












      次の朝、教室について鞄の中身を机の中に入れると、同じクラスの菊丸が声をかけてきた


      「ーっ。おっはよーん!」

      「おはよー英二。今日も元気だね〜!」

      「あったりまえー!俺はいっつも元気百倍だからっ!」

      「あはは!確かに!」

      
      そのあと、不二も一緒に混ざり笑いながら話していた
      そして、朝のHRが終わり一時間目、二時間目と時が過ぎ

      三時間目の休み時間が来た
      

      「・・・なんか、授業終わるの早い気がしなかった??」
  
      「え?あたしにはすっごく長く感じたよ?」

      
      そんなことを話していると教室から出て行く、不二の姿が見えた。


      「あれー?不二ー!何処いくんだよー?」

      「ちょっと、手塚に辞書を返してくるよ」

      「ふーん。行ってらっしゃーい!」
 
      
      そういうとにっこり笑って教室を出て行った。


      「へぇ〜。不二でも忘れ物ってするんだにゃー」

      「珍しいねー」


      





      手塚は昨日、に貸してもらった本を静かに読んでいた。
      すると、前の席の椅子が引かれ見覚えのある声が聞こえてくる


      「何の本を読んでるの?」

      「・・・不二か。」

  
      顔を上げると笑って頬杖をつく不二の姿が見えた
      そしてにっこり笑い辞書を机の上におく

 
      「僕もこの本読んだよ。面白い本だよね」

      「ああ。なかなかよく出来た話だ」

      「自分で買った・・わけないよね?」
            
      「・・・に貸してもらった」

      「へぇ。に・・・」


      そう一言言うと、不二は目を開けて笑った
      

      「何が言いたい?」

      「いや。・・・そういえば、この話の主人公とヒロイン。手塚と晴にそっくりだよね」

      「・・・・・・そうか?」

      「はどうして手塚にその本を貸したんだろうね?」

      「・・・・・・」

     
      そんな手塚の様子を見て、不二はくすくす笑うと席を立ち
      教室から去っていった


      目で文字を追うのをやめ横を見てみる



      「はどうして手塚にその本を貸したんだろうね?」

      


      いったい、何の事だろうか?

      そういえばも意味深なことを言っていたな。

      この本と、不二の言葉との言いたいこと・・・・







      空は真っ青で雲ひとつ無かった。









      



      
      「二人ともっ。ばいばーい」

      「おーぅ。ばいばーい」

      「また明日。」


      不二と菊丸に手を振ると晴は生徒会室に足を運んだ。
      

      ぴょこっと生徒会室のドアから様子を窺うと
      手塚が一人で何かにサインか何かをしていた。


      「手塚くーん。終わった?」

      「か・・・待て、もう直ぐで終わる」

      「うん。・・・ねぇ、中に入ってもいい?」

      「かまわないが。」

      
      わーいと笑うと中に入り、傍に立って空を見る


      「あ、そういえば手塚くん本読んだ?」

      「ああ、全部よんだぞ」

      「えぇっ?!もう全部読んだの?・・・で、面白かった?」

      「なかなかよく出来た話だったな」

      「そう。そっか・・・よかった」

     
      ふふっと笑うに手塚は走らせていたペンを止めた
      は振り向き、首をかしげた


      「・・・お前は、どうしてこの本を俺に貸したんだ?」

      「・・・え?」


      予想できなかった質問にはビックリしていたようだった
      

      「今日、不二に言われてな。正直俺も気にかかっていたんだ」

      「そっか・・・そうだよね。本貸した事無かったもんね」

    
      くすくす笑うと窓に寄りかかって下を向く


      「この本、ね。主人公がかっこよくて無口で真面目っていったじゃない?」

      「ああ・・・」

      「それで、よくよく読んでみたらこの主人公手塚くんにそっくりだなぁーって思って・・
        なんか笑えてきちゃってさ。この本手塚くんが読んだらどう思うかなーって・・・・・」

      「・・・・」

      「別に、あたしがヒロインっていうんじゃないけど
        こんな風に過ごせたら幸せだろうなってそう、思ったの」

      「・・・・・・」


      少し静かな沈黙が二人のなかを過る
      

      「ごめんね。なんか時間無駄にさせちゃったよね」

      「・・・・

      「こんなの自分のエゴだもん。夢見すぎちゃった」

      「

 
      呼ぶ声が自分に降りかかってくる

      
      「俺の言葉が少ないから、にこんな想いをさせたのだろう
        謝るのは俺のほうだ。すまない」

      「ううんっ・・・手塚くんは何にも悪くないの。大丈夫だよ。」

      「いつも、お前にこういう事を助けられてばかりだな・・・」

      「そんなことない。手塚くんも考えてくれてるんでしょ?
        あたしはそんな手塚くんが好きなんだから」


      ふわりと笑った笑顔が愛しくて

      そんな君にいつも守られている自分がいる





      「ああ・・・俺も・・そう言ってくれるが好きだ」

      「うん・・・ありがとっ・・・・」






      抱きしめた体は小さくて暖かくて

      今までにない感情があふれ出してくる





      あの本のように とはいかないかもしれないけど







      素敵な物語が、ね そこにある・・・・・・
















        2007/01/27

        いやー・・初手塚夢;;
  
        難しいなぁー・・でもすっごい楽しかったからいいや。うん

        日記でも書いたけど、鈍感で天然で真面目で、時に大胆な塚が大好きよ。

        この夢は私の友達に捧げまひょか。
  
        塚以上にその子が大好きなんですのよ(*´∀`*)


     
      
     
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