“神は、我々を『人間』にするために、なんらかの欠点を与える”

                                      シェイクスピア





                “生きるとは呼吸することではない。行動することだ”

                                             ルソー







       いったい私が神様に何をしたのだというのだろう・・・?








     Vampire Honny
        




 

                                  






     日本では特別意味がない 今日はハロウィンだ。

     アメリカなどでは小さい子供が仮装して家を回り、お菓子を貰うという行事がある。

     私も小さい頃、英語の塾でした事があったが、まぁそこそこは楽しめたものだ。

     今では胡散臭いと思っているし、「パーティをやろう!」とか言ってる奴らの事を

     影で笑い馬鹿にしている。


     そもそも、吸血鬼だのミイラ男など、この世には存在するわけないんだからさ。







     「ねぇー。ー!ハロウィンパーティやるんだけど来ない?」

     

     来たよ。絶対来ると思ったよ。

     こいつはあたしの親友で 

     すっごいお嬢様で明るく能天気で天然な少女

     オカルト好きで、ホラー映画を一緒に見に行かされた事がある



     
     「まーたそんなこと言って・・・・・あのね、千秋?ハロウィンパーティーなんてやっても
      お化けは来ないんだよ?」

     「む、分かってるもん!今回は皆で仮装して、わいわい騒いで
      それで、おびき寄せるんだよっ!」


     違くないじゃん・・・;

     
     「とにかく、あたしは行かないから。それより勉強しなきゃ」

     「えー?来ないの?楽しいのになぁ。それと、もたまには息抜きしなきゃ」

     「ご心配なく。じゅーぶんっ息抜きしてますから」


     そういって、にこりと笑ってみせると千秋は頬を膨らませた

     「むぅ・・・〜・・ハロウィンはね、ヴァンパイアが花嫁を探しに来る日なんだよ?
       そんな日に騒がないでどーすんのっ?」

     「は?何それ?」

     「本に書いてあったの。素敵だよねぇ〜ヴァンパイアの花嫁なんてさ・・・」

     
     は両手を合わせてほぅとした表情を浮べて夢うつつになっている
 
     そんなをみては苦笑いする

     
     「そんなん絶対やだ。考えただけでもゾっとするよ」

     「えぇ〜?そぉ?・・じゃさ!確かめてみようよっ!」

     「何を?」

  
     嫌な予感がする。


     「だから、今日本当にヴァンパイアが花嫁を探しに来るか!」

     
     やっぱり?言うと思った。

     
     「綾が一人でやってればいいじゃーん。あたしはパスー」

     「えぇっ?!そんなぁ〜!一緒にやろうよー!ね、お願いお願い〜!」

 

     眼をうるうるさせて必死にお願いしている。

     う・・・こいつ、あたしがこの顔に弱いのしっててやってるな・・;;



     「・・・〜〜あー、はいはい!わかったから!やればいいんでしょ?やれば!」

     「わーい!やったー!大好きー!」

     「・・・で?何をすればいいの?」

     「ヴァンパイアはハロウィンの夜12ぴったりに満月からやってくるんだって。
      それでね、この呪文を丁度満月が見える場所から唱えるの」

    
     なんだ、簡単じゃん。もっとスゴイのかと思ってたよ

     血を一リットル出すとか・・・ま、それくらいなら付き合ってやってもいいかな。


     「起きてて、呪文とかなんたらを言えばいいのね?了解。30分たったらメールするね」

     「うんっ。あたしもするっwで、これ呪文のメモっ。」



     まー・・嬉しそうな笑顔ですこと。

     今日は漫画とか雑誌いっぱい借りとくかな・・・。











 







      そして、学校が終わり夕飯を食べ、お風呂に入った後

      時刻を見ると11:30だった。


      「あと、30分ね。それまで雑誌でも読んでよーっと・・・」

      ふぁー・・と欠伸をするとベットに寝転がり雑誌を読み始めた






      ガタッ・・・・ガタガタッ・・・・・・




      窓ガラスがサッシにぶつかる音が頻繁に聞こえる

      「・・・今日はまた、風が強いなぁ・・・」


      




     窓のほうに目をやり少しだけ様子を見たあと、また雑誌に目を移す

     時計の長い針は刻々と12へと向かっていた。


     
     「ん・・・もうそろそろ12時か・・・えっと、メモはーっと・・・」

     

     ベットから起き上がり、窓をそっと開けてみると風は止んでおり

     生温い風が頬をすり抜けて行く


     「えーっと・・・こほんっ・・・


      聖なる闇を支配するものよ


      我の血を与えし 獣と化す


      甘美なる薔薇の姫君の躯を我に示せ・・・・・」



     すると、前方に黒い影がいくつか見えた

     それは確かにこちらに向かっており、だんだん数が増えて行くのがはっきりとわかる


     「・・・・やだ・・・何あれ・・・コウモリ・・・?!」


     どんどん近づいて来るのに気付き、急いで窓を閉めようとすると

     猛スピードでコウモリが襲い掛かり窓ガラスを割り、部屋に入り込んできた


     「キャァァっ!!」


     壁に飛ばされ背中を打ち、顔をゆがめながら前を見ると

     人が跪いている姿が見える



     「・・・・・だ・・・だ・・ぁ・・れ?」

     

     微かに薔薇の香りがする

  
   
     「迎えにあがりました・・・・我が姫君」」



     え?・・・何?何の事・・・?



     そして、その人物がに手をかざすと体から力が抜けたのか、ぐったりと倒れた
     
     指をくいっとあげるとはふわっと持ち上がりその人物に抱きかかえられ



     そのまま闇へと消えていった・・・・・









    


      目を閉じないで 逃げ出さないで




      ほら、君にも聞こえるだろう?








      死 者 の 慰 め の 鐘 が




      若き花嫁とヴァンパイアに祝福を・・・















 


     

    
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